ヌンチャク風iPhoneケース「iPhone Trick Cover」生産の模様をひと足お先に工場見学してきました

Cerevo DASHで目標額の2倍を達成し、今も着実に支援を集めているiPhoneケース「iPhone Trick Cover」。まるでヌンチャクのように動かせるアクロバティックな動きが特徴のiPhoneケースです。

このiPhone Trick Coverを作ったのは、横浜を拠点にプレス金型や板金加工などを手がけるニットーさん。「楽しいモノづくりから日本を元気にしたい!」というテーマを掲げ、町工場から自社製品作り出す「マイクロモノづくり」を実践するニットーさんに、iPhone Trick Cover製作の過程をうかがってきました。


オフィスで見せていただいたのは、記念すべきiPhone Trick Coverの試作第1号機。筐体はおろかモックであるiPhone部分もすべて金属製で作られており、手に持つとかなりずっしりとした重さを感じます。


第1号機でも今のようなヌンチャク動作は可能だったものの、動きがやや不安定だったということで改良が加えられたのがこの2号機。2つの違いが分かりますでしょうか。


一番の違いは本体側面の溝部分。1号機ではカバー側にあった溝が2号機ではケース側に設けられ、安定したヌンチャク動作が可能になりました。


この後もケースを取り付けたまま充電が可能になるようコネクタ部に穴をあけた3号機、素材に樹脂を採用して軽量化を図り、デザインも見直しをかけた4号機と、今回のプロジェクトリリースまで実に4回もの試作機が製作されました。


こちらが3号機と4号機の背面。本体を装着するケース部分を見ると、素材だけでなく筐体デザインでも大幅な軽量化が図られているのがわかります。

実際にiPhone Trick Coverを開発している工場内も見学させていただきました。

こちらは素材を曲げていく機械。iPhone Trick Coverの筐体も1枚の板をこうやって曲げながら作られます。

こちらは型を作る機械。

平べったい金属の板がこの機械を通すと……。

こうやって型が作られます。

工場内には溶接できる場所も。強い光を放つので直視は禁止、作業の際は専用のフードをつけて行ないます。

iPhone Trick Coverの図面も拝見。この図面を元にたくさんのiPhone Trick Coverが作られていきます。

部屋の片隅には活動報告でも紹介されていたiPhone Trick Cover耐久試験も。この試験装置も工場で作ったという力作です。

無事に目標を達成したこともあり、今は生産に向けて準備中とのこと。工場見学は支援者向けリターンとしても用意されているので、「工場をぜひ見学してみたい!」という方はそちらの支援メニューもぜひご確認ください。

ちなみに工場見学の際には、ご自身のiPhone Trick Coverにオリジナルのデザインを施せる特典も用意されていますよ。

町工場からのモノ作りを積極的に啓蒙しているニットーでは、土日に工場の機材を使って社員が好きなものを作っていい、というラボ的な取り組みも行なっており、社員がめいめい釣り竿やバイクのアクセサリーなどを自作しているんだとか。非常に楽しそうで夢のある取り組みです。

iPhone Trick Coverに続く第2弾プロジェクトも見せていただきました。これ、何に使う機械だかわかりますか?

実はこれ、iPhoneを使って中央に置いたフィギュアを360度回転して撮影できるという機材。中央にフィギュアを置いてiPhoneを装着して、アプリを起動すると……、

iPhoneが周囲を自動で移動! iPhone搭載の加速度センサーを利用し、フィギュアを360度から撮影してくれます。

撮影した画像はアプリ上で自由に動かすことが可能。Flashにして書き出すこともできるとのこと。

iPhone Trick Coverを皮切りに、どんどん「マイクロモノづくり」を進めていくニットーさん。すでに目標を達成して生産が決定したiPhone Trick Coverもまだまだ支援受付中で、支援いただければ確実に手元に届きますので、ご興味お持ちいただいた方はぜひプロジェクトページからご支援ください。

Cerevo DASHのプロジェクトを実際に体験できるブロガーイベントが開催決定!

3月にスタートしたCerevo DASHもおかげさまで6つのプロジェクトを開始することができました。この後も自社プロジェクト含めいくつかのプロジェクトを予定しておりますが、時おりいただくのが「実際に製品を手にとって見てみたい」というご要望。

目標金額を達成してから開発に着手するというクラウドファンディングの仕組み上、製品が存在しないのはもちろん開発中の試作機もそれほど数がそろわないことが多く、なかなか実際に体験していただく機会をご用意できなかったのですが、今回アジャイルメディア・ネットワークさんのご協力をいただき、Cerevo DASHで展開中のプロジェクトを体験いただけるイベントを開催する運びとなりました。

【AMN主催】ブロガー養成セミナー「ガジェット記事の書き方」powered by Cerevo

本イベントはブロガーを対象とした内容で、ガジェット記事を書くためのノウハウを参加者全員で共有しつつ、Cerevo DASHへプロジェクトを投稿いただいた開発者の方にもお越しいただき、実際に試作品を体験いただけます。現在のところ、Cerevoが開発したネット連携目覚まし「Alarm BRICK」のほか、壁を垂直に上るくるま型ロボットキット「うおーるぼっと」、無駄にかっこいいヌンチャク系iPhoneケース「iPhone Trick Cover」が出展予定。このほかにも現在出展準備中の新プロジェクトも体験できるかも?

イベント自体はブロガー限定となっておりますが、ブログをお持ちの方でCerevo DASHのプロジェクトにもご興味をお持ちいただける方はこの機会にぜひお申し込みください。

【AMN主催】ブロガー養成セミナー「ガジェット記事の書き方」powered by Cerevo

壁を垂直に走る姿は必見! Wiiリモコンで「運転」できるくるま型ロボット「うぉーるぼっと」

 FourBeat、LUNCHBOXに続き、Cerevo DASHでプロジェクトを展開中のくるま型ロボットキット「うおーるぼっと」もお話をお伺いしてきました。

 うぉーるぼっとのすごさはなんといってもその動き。本体サイズはiPhoneよりも一回り大きいサイズながら、BluetoothでペアリングすることでWiiリモコンからの遠隔操作が可能。しかもWiiリモコンの加速度センサーを利用することで、Wiiリモコンをハンドルのように傾けて操作することもできます。

 底面には強力な磁石がとりつけられているので、マグネットでつけられる壁面であれば90度の角度を垂直に上っていくことことも可能。ホワイトボードをすいすいと自在に動く様子はぜひ動画でご覧ください。


うぉーるぼっと 操作デモ1 – YouTube

プロトタイピングというと難しそうですが、25000円の支援であればプログラムの必要なくBluetoothでの操作が可能。自宅にあるWiiリモコンとペアリングするだけで、動画のような操作が楽しめます。

また、1万円の支援の場合も、マイコンボードの「mbed」と市販のBluetoothレシーバーを用意し、2カ所だけハンダ付けをすれば、あとは必要なプログラムをダウンロードしてインストールするだけ。電子工作の入門としてもぴったりです。

 うぉーるぼっとに物を乗せて走行することも可能で、iPhoneを乗せたうぉーるぼっとから走行風景をビデオチャットで配信する、というテスト走行も実施済み。さらにライントレーサーを組み合わせることで、黒いラインでコースを作り、ラインに触ったら一定時間操作できなくなる、というゲーム感覚のレースもプログラム次第で可能だとか。

Wiiリモコン下部にある4つのランプをライフに見立てて、1回コースアウトするごとにランプが消灯し、4回のコースアウトでゲームオーバー、というプログラミングも可能とのことで、アイディア次第でかなり本格的なレースゲームも楽しめそうです。


うぉーるぼっと 操作デモ2 – YouTube

説明よりも実際の走行を見れば一目瞭然なこのうぉーるぼっとですが、今週末に横浜の赤レンガ倉庫で開催される「エンルートフェスタ2012」で、このうぉーるぼっとのデモ走行が行なわれます。うぉーるぼっと以外にもさまざまなラジコン製品が展示されるとのことで、お近くにお住まいの方やお子様がいらっしゃる方は足をを運ばれてみてはいかがでしょうか。

エンルートフェスタ2012
http://www.enroute.co.jp/club/index.php/event/guide/175-rcmeet2012

そしてうぉーるぼっとにご興味お持ちいただいた方、応援したい方はぜひ下記のバナー画像からプロジェクトのご支援もお願いいたします。

電子工作キットの入門にぴったり! Arduino互換「LUNCHBOX」について聞いてきました

Cerevo DASHの投稿第1弾プロジェクト「LUNCHBOX」。Arduino(アルドゥイーノ)との互換性を持ち、他の互換機にはない多くの機能を備えた“究極のArduino”というこのLUNCHBOXでいったいどんなことができるのか、開発者のFantomさんにお話をお伺いしてきました。

――そもそもArduinoとはどんな製品なのでしょうか?

いわゆる電子工作キットなのですが、他の電子工作キットと違うのはソフトがとても充実していることですね。開発用のソフトが無償配布されていることに加え、多くの電子工作キットはWindowsだけに対応しているのに対して、ArduinoはWindowsとMacの両方で使えます。ハードウェアだけで見ると他の電子工作キットに劣る部分もあるのですが、初心者にとっては値段も安く(3000円程度)、電子工作の入門としてもオススメです。

手のひらサイズのLUNCHBOX

――初心者にとって簡単というのはどのくらい簡単なのでしょうか?

一般的な電子工作だと、プログラムを何十行も書かなければいけないのですが、Arduinoなら行数が少なくてすみます。たとえばLEDランプを光らせるだけなら、「ランプを光らせる」「ランプを消す」というプログラムを繰り返すだけでいいので、数行程度書くだけでできあがり。最初からサンプルもたくさん用意されているので、サンプルを使えばすぐに電子工作がはじめられます。

――Arduinoと今回のLUNCHBOXは互換性があるとのことですが、何が違うのでしょうか?

一番の違いはバッテリーです。Aruduinoの場合電源をパソコンから取る必要がありましたが、パソコンだと電流が足りない時もあるし、ケーブルでつながなければいけないので、できあがった作品を外で見せるのも大変です。また、無線を使った電子工作の場合はどうしてもバッテリーが必要になりますが、そうしたバッテリーの管理まで自分で作るのは結構大変なんで す。電子工作を始めたばかりの人にも気軽に使って欲しくて、Arduinoと互換性のあるバッテリー対応のLUNCHBOXを開発しました。

ちなみにバッテリー対応したArduino互換のボードは他にもあるのですが、そうした製品はArduinoと形状が違うので初心者にはわかりにくいかもしれません。LUNCHBOXはArduinoと同じ形状になっているので初心者の人にも使いやすいと思います。

左がArduino、右がLUNCHBOX。USBがminiUSBになっている以外はほぼ同じ構成

――Arduinoを使うとどんなものが作れるのでしょうか。

簡単なところではLEDを光らせたりするところから、大がかりなものだとエスプレッソマシンを作っている人もいますね。他にもセンサーをとりつけることで、人の気配や音を検知して動くガジェットなんかも作れますよ。

LEDを光らせるプログラミングで動作中

――まったく電子工作の経験がない人が「やってみたい!」と思ったら何から始めればいいのでしょう。

LUNCHBOXやArduinoを用意して、パソコンに開発キットをインストールすればすぐ始められます。開発キットにはサンプルのプログラムもたくさん収録されているので単品でも十分楽しめます。

ランプやセンサーなど他の部品と組み合わせて使いたい、という場合は、公式サイトが充実しているのでオススメです。英語のサイトなのですが、英語を読むことに支障がなければ解説書がいらないくらい充実しています。日本語の場合はArduinoの解説本がいくつか出ているので、そういう本を読むのもいいですね。

――LUNCHBOXの後に考えているプロジェクトはありますか?

LUNCHBOXはかなり初心者を意識したプロダクトなのですが、Arduinoから電子工作を始めた人はすでにArduinoが物足りなくなっていて、別の電子工作キットに移行している人も多いと思います。そういう人に向けて、別のキットとバッテリーを組み合わせたものも作ってみたいですね。

――ありがとうございました。

※Arduinoに興味を持った方は、こちらの解説記事も合わせてお読みください。

【武蔵野電波のブレッドボーダーズ】かんたんマイコン「Arduino」の始め方
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1218/musashino023.htm

【武蔵野電波のプロトタイパーズ】AndroidにArduinoをつないでクラウドLチカに挑戦!
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/musashino_proto/20111214_498228.html

スタパ齋藤の「週刊スタパトロニクスmobile」 Arduinoでマイコンしよう!!
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/40638.html

Android連携の早押しボタン「FourBeat」試作機を実際に体験!

Cerevo DASHでは、自社開発のプロジェクトだけでなく、開発者の方々からいくつもプロジェクトをご投稿いただいています。今回は、「リアル」が伝わるAndroid対応押しボタンスイッチ「FourBeat」を開発したピグマルの伊藤さんにお話を伺ってきました。

PIGMAL LLC / 合同会社ピグマル
http://pigmal.com/

ピグマルのオフィスがあるのは、サムライインキュベートが運営するコワーキングスペース「Samurai Startup Island」。サムライという言葉とは対照的に、とても開放的でオシャレなオフィスです。

部屋の中央にはバースペースも。1日たまった仕事の疲れをここで癒やすのでしょうか。

両端は固定スペースで、中央にはフリーアドレスの席。机と机の間隔も広く、とても働きやすそうな環境でした。

会議室は和室テイストで、畳の上は土足厳禁。和の空気に癒やされながら打ち合わせできます。

この会議室で見せていただいたのが本題のFourBeat試作機。4色のボタンと基板を組み込んだ本体部分で構成されています。現状のボタンは市販のものを採用していますが、製品化の際は薄型化・小型化に加えて本体が六角形のデザインに変更する予定だとか。

FourBeatとAndroid端末をUSBで接続すると、自動で対応アプリの選択画面を表示。現在はプロジェクトページでも紹介されていたクイズアプリに加え、開発の真っ最中という音楽アプリも表示されています。

試作機のクイズアプリでは、日本最大級のクイズサイト「クイズ研」の協力を得て、デモ用のクイズをプリインストール。出題されたクイズの答えがわかったらボタンを押すとチャイムと同時にボタンと同じ色の帽子がアニメーションし、誰が一番早く押したかがわかります。ボタンを押した人が答えた後に画面をタッチすると、正しい答えが表示される、という仕組みになっています。

今回は試作機用にクイズが用意されていますが、製品版では自分で好きなクイズを入力できるようになるとのこと。HDMI出力を持ったAndroidであれば大画面プロジェクターに映し出すこともできるので、クイズの回答を会場全体で共有することができます。

例えば結婚パーティーでFoubeatを使えば、新郎新婦に関するクイズ大会を簡単に実現できます。通常はクイズの答えを大きな声で答えてもらったり、手を挙げるスピードを誰かがチェックしたり、と手間がかかるところを、FourBeatなら回答者が画面でわかるので一目瞭然。何よりも実際にボタンを叩いて答えるというクイズ番組さながらの仕組みはイベントを盛り上げること間違いなし。ぜひともこの4色ボタンを使ってアタック25をプレイしてみたいものです。

FourBeatに対応したアプリを自作することも可能。4ボタンで動作する部分はFourbeatが実現しているため、Androidアプリの開発のノウハウさえあれば自由にFourBeatを使ったアプリが開発できます。伊藤さん曰く「Androidアプリ開発者に、ハードウェアを使う体験をして欲しい」とのことで、FourBeatを使ったアプリは開発者が自由にリリース可能。ネットワーク連携も可能なため、Facebookの「いいね!」機能と連携したり、オンラインで対戦するクイズアプリなんかもアプリ次第で実現することができます。

こちらは本体側のインターフェイス。Android端末と接続するUSB端子に加え、給電用のmicroUSB端子も備えます。

電源は外付けですが、Androidスマートフォンでほぼ標準となっているmicroUSBで給電できるため、Android同梱の電源ケーブルで給電が可能。また、モバイルバッテリーでも十分動作するため、コンセントを気にせず好きなところで使うこともできます。

FourBeatは製品化に向けて引き続き開発中。対応アプリもクイズアプリ、開発中の音楽アプリに加えて3~4程度のアプリが用意されるとのこと。興味をお持ちいただいた方はぜひCerevo DASHのFourBeatプロジェクトページからご支援ください。